海外出張-4

しかしそれよりもっと深刻な問題が…

ガスメータが無いのです。そう、パキスタンという国は当時、ガスメータが存在せず、使っても使わなくてもガス使用料金は定額なのでした。(今は知りません)

私:ガスが150m3N/Hr流れるように調整したいのでガスメータは何処?

客:そんな物ない。冷凍機を繋いだら150m3N/Hr流れるのだろう?仕様書にそう書いてある。

私:そうではなくて、仕様書の定格量に調整する必要がある。

客:ないものは無い。どうにかしろ。

という始末。仕方なく、機械の温度・圧力・炎の色・排ガス温度・排ガスのO2濃度・ファンモータの電流値・、溶液の濃度等から経験的にアバウトの調整しました。その時冷凍機の能力は93%。

で、最後に残った難問題が電圧。電源電圧が不安定では燃焼調整が出来ません。燃焼調整が出来なければ能力を上げる事が出来ません。

客は、「能力が100%出るまで帰ってもらっては困る。」と言います。

私は、「電圧が低い・ガス量が不明では微調整が出来ない。そこまで言うのならこの二つを何とかしろ!」と応戦。

マスターエンジニアが、「明日の午前中には何とかする。それさえあれば能力出るのだな?」と凄んできました。

正直、「殺されるかも???」と不安もよぎりましたが、兎に角翌日まで待つことにしました。

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