海外出張-2

定格電圧が貰えないとどうなるか?

日本国内だけでサービスマンをしていた私にとって、何もかもがカルチャーショックでした。

基本のシーケンス回路は?辛うじて動くのです。定格440Vのリレーが、360Vでもとりあえず走りました。

そしてシーケンスチェック。シーケンスチェックって何?簡単に言うと、インターロックとか保安リレーを短絡して、模擬的に冷凍機を運転状態にすることです。

ターボ冷凍機の場合、6600Vの動力回路(メインモータ)を落としてシーケンスチェックすることによって、万一結線間違いや部品の故障があった場合でも、安全に見つけることが出来るのです。

で、現地吸収式冷凍機のシーケンスチェックですが、最初の行程でコケてしまいました。それはイグナイターです。

吸収式冷凍機(冷暖房機)は、ボイラーが付いています。これを高圧再生器又は高温再生器(略して高再)と言いますが、この高再に火が点かないのです。

ファンヒータを見ればわかりますが、運転ボタンを押してから20秒~60秒後くらいに「ジー」っていう音がして火が点きます。これは電源電圧をトランスによって昇圧し(10000Vくらい?)、イグナイタ電極とディフューザの間に放電させて、ガスを引火させるのです。

これと同じ構造が吸収式冷凍機のボイラである高再にも施されているのですが、電源電圧が20%も低下すると、イグナイタで放電させるだけの電圧に昇圧できない為、火花が出ません。

どうしましょう?

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