インターロック
[インターロック]って聞くと何を想像しますか?
もちろん「初めて聞く」なんて人も多いですよね?
直訳すれば、「連結させる」「結合する」です。これがシーケンスの世界になると、「安全技術」「安全条件」になります。後述しますがこれは、「FOOLPROOF(フールプルーフ:バカよけ)」と類似した概念になります。
前にも書きましたが、「フールプルーフ」「フェイルセーフ」は安全衛生を考える上で不可欠の思想です。
インターロック…フールプルーフ…バカよけ?これは、不注意・不安全行動があっても事故を起こさない・怪我をしないという考え方なのです。
例えば車:シフトレバーが[P]でなおかつブレーキペダルを踏まないとエンジンキーが回りません。もしこの条件が無いと、うっかり[D]でエンジンを掛けた瞬間に車が飛びだしてしまうからです。
例えば冷凍機:[冷水ポンプが回る][冷却水ポンプが回る]という条件が整わなければ起動できません。この条件不足のことを「起動渋滞」と言い、この条件を「補機インターロック」と言います。
冷水ポンプが回らないのに冷凍機が起動してしまったら、冷凍機の中で留まった冷水が冷やされ過ぎてチューブが凍結パンクしてしまいます。
冷却水ポンプが回らないのに冷凍機が起動してしまったら、冷水から奪った熱を放出してくれる冷却塔まで、冷却水を運ぶことが出来ないので、冷凍機が高圧になり、安全弁が吹いてしまいます。
例えばエレベータ:扉が閉まらないと動きません。もし扉が開いたままで動いてしまったら、命に関わりますよね?先日中国で起こった、「扉が開いたままで動き出したエレベータ」は、このインターロック回路の故障であったと思われます。
覚えていただきたいことは、「インターロック」と「保安リレー」は別物であるってことです。
上述の冷凍機で言えば、インターロック機構としては「冷却水ポンプインターロック」がありますが、それとは別に保安リレーとして「冷却水断水リレー」と「高圧圧力停止スイッチ」があります。
万が一、インターロックが故障したとしても、「断水リレー」が水の流れを確認しなければ異常停止させます。それでもダメなら機内圧力が上昇し、「高圧圧力停止スイッチ」が働きます。そして、これも壊れていたら、「安全弁」が吹いて、爆発事故を回避するように出来ています。
[インターロック]は、その条件が整わなければ機械を動かさない装置。
[保安リレー]は、これが運転中に作動したら、機械を停止させる装置。
この違い、紛らわしいですが覚えてくださいね。