瞬時停電対策-2
以前、某大学の原子炉実験所に納められた吸収式冷凍機について、お客様から要望がありました。内容は、
「もし瞬停で知らぬ間に吸収式が停止してしまったら(結晶事故で)大変な事になる。瞬停対策回路を作ってほしい。」でした。
著作権に抵触するので詳しい事は言えませんが、概略は以下の通りです。
①AC200Vで動いているシーケンス回路(以降メインと称す)から直流安定化電源によってDC12Vを取り出す。
②DC12Vでリチウムイオンバッテリを充電する。
③DC12Vの停電監視用のシーケンス(以降サブと称す)を新たに増設する。
④メインで[TX(停止)]スイッチが押されていないにも拘らずTR1が外れたら。サブのシーケンスが走り出す。(先日の図面参照)
⑤サブの回路はバッテリのお陰で瞬停があっても機嫌よく働いてくれるので、④の瞬停異常接点を受けて次の動作を選定する。
⑥1秒以内の瞬停なら、メインの回路に[起動]命令を出して運転を続行。
⑦20分以内の停電なら、メインの回路に[起動]命令を出すと共に、[停電検知]の軽故障表示を出す。
⑧20分を超える停電なら冷凍機を停止し、[希釈運転]実施。同時に[停電検知]の重故障表示を出す。
こんなにややこしい回路を組んで改造は終了しました。
このような機能が、今のマイコンシーケンスには簡単に挿入できるんです。