オルタネイト-2
続きです。オルタネイトについてもう少し説明させて頂きます。
前号で説明した通りオルタネイトは、スイッチを押す度にONとOFFを繰り返します。
オムロン・富士電機・三菱電機等、制御盤部品メーカーから出ているオルタネイトスイッチは、殆どが機械的オルタネイトです。
スイッチを1回押すと、スイッチ内部で接点を保持するように爪がスイッチをONに固定し、もう一回押せば爪が外れてOFFになる構造です。
だからスイッチによっては、ONとOFFの状態をスイッチ面のへこみ具合で判断できる物もあります。
対して最近の家電品のスイッチの大半は、モメンタリが採用されています。理由は、小型化・低コストです。
例えばソニーの同じテレビを2台並べて、片方をONに、他方をOFFにします。その状態でリモコンの電源スイッチを1回押すと、点いていたテレビは消え、消えていたテレビは付きます。
つまりリモコンは、電源スイッチが押されたという信号をテレビへ送り、テレビ内部のマイコンが、[電源ON/OFFを反転]する命令を実行しているにすぎないのです。
もしこのテレビリモコンのコマンドスイッチを、用途に応じてオルタネイト・モメンタリをバラバラに配置したらどうなりますか?
まず、大きく・重たくなります。そしてスイッチの音が出ます。当然耐久性も劣ります。
世の中全て、シーケンサとマイコンだけになると、このオルタネイトスイッチは無くなってしまうかもしれませんね?
しかし大量生産できない機械や、リレーとタイマー10個程度で作れる回路には、このオルタネイトスイッチ、とても重宝するんです。
何事も「適材適所」ですね?