掛かり付けの医者

サラリーマン時代、課の先輩が課員全員を集めて、週一でボトムアップの啓蒙活動をやっていた事がありました。

毎週違うテーマで、仕事のやり難さとか、効率化とか、改善提案を論じ合っておりました。

何回目かの会合の時、司会である先輩が、「お客にとって我々サービスマンはどうあるべきか?」という、禅問答のようなテーマを出されたことがあります。

そして私の番になった時、「掛かり付けの医者」と答えました。続けて私は、「腕の良し悪しはどうでも良い。(極論ですが)要は、困っている客がこの制服を見ただけで安心できる、そんな存在でありたい。そのためにはもちろん技量が高いに越したことはないがそれよりも、客の不安を理解し、払拭する努力が受け入れられるかどうか、だと思います。」

私にだけは厳しく、滅多に認めてくれない先輩が、その時だけは共感してくれたことがうれしくて、今もその想いは変わっていません。

低価格が最優先の昨今、掛かり付けの医者も、それを望む患者も少なくなったのかも知れませんね?

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