標準化-3
私が苦労して顧客の仕様に合わせて作った制御盤の横に、他社の制御盤(ペットボトルの成形装置)が据わったのですが、色が違う。厚みが違う。高さが違う。架台も無い。そして盤の中は、指定されていないメーカーの物ばかり!
顧客は、「複数の制御盤が並んだ時、メーカーが違うために高さも色もバラバラなのは美観が悪い」という観点から、独自のルールを決めたはず。私は隣の制御盤のサービスマンに訊きました。
「ここのお客、規定が厳しいでしょ?こんな仕様で承認されたんですか?」
確かに全体を見渡した時、その盤だけが飛び出していてブサイクだったのです。そのサービスマンはすました顔で言いました。
「ルールが厳しいのは知ってますよ。でも、これがうちの標準ですから。ここのルールに従って盤を作るとそれはオプション扱いになって、倍近い金額になるんです。だって、この盤は倉庫に何十台もストックされているけど、オプション仕様は1から製作になるでしょ?そりゃあ同じ金額というわけには行きませんよ。お客には、金額の方が優先だったんですよ。」
でした。
[うちの標準]・・・ショックでした。そう、私の勤めていた会社の商品には、[うちの標準]が無かったんです。
つづく