保護協調-3
先日のELBとMCBの組み合わせ、経済的な理由から50AのELBの二次側に20AのMCBを複数個繋ぐというやり方が主流ですがコメントしたとおり、1箇所の漏電のために家全てが停電するって、本当は良くないんですよ。あくまで停電は最小限に抑えたいですよね?それが一つの街とか市になると尚更です。
20Aのブレーカに繋がっているケーブルを見て下さい。大抵2mmΦの銅線が使われています。
使用条件によって異なりますが、この銅線なら許容電流は23Aです。この組み合わせなら、銅線は23Aまで耐えられるが、20Aを超えるとブレーカが落ちるため、安全に使用できます。
もしこの銅線に1mmΦが使われていたら、銅線の許容電流は10Aなので、1500W(15A)のヘアドライヤを使うとブレーカが落ちずにケーブルが溶けてショート・火を吹きますその後でようやくブレーカが落ちるのです。これは危険ですよね?だから配線の設計をする時、絶対に守らなければならないルールが2つあります。それは、
①上位よりも大きい定格の開閉器・遮断器(ELB・MCB) を下位に繋いではならない。
②配線・ケーブルの許容電流は、上位の開閉器・遮断器の定格を下回ってはならない。
これを[保護協調]と呼びます。
タコ足配線がなぜ駄目なのか?それは、3Pタップ(三叉)を3つも4つも直列に繋ぎ、それにぶら下がっている電気製品(「負荷」といいます)の定格の合計がもし1700W(17A)になったら、一番上流の電線は負荷に耐えられなくなって被覆が溶けて出火、火災に至る恐れがあるからです。
2P・3P延長ケーブルを何本も繋ぐのは止めましょうね!