保護協調-2

古い家では、大雨が降るといきなり停電になることがあります。雨水が天井裏とか出窓の隙間から壁の中に侵入し、漏電するのです。

分電盤を開ければ、大きいブレーカ(ELB)が落ちているため停電したのです。10個ある小さいブレーカ(MCB)のうちのどれかが漏電しているのですが、MCBより先にELBが落ちます。ELBのほうが漏電(漏れ電流)に対する感度が格段に良いからそうなります。

そしてELBを投入(ON)すると、瞬時にまた落ち(OFF)ます。当然です。この場合どうするか?

まず、10個のMCBをすべて断(OFF)にします。そして、ELBを投入。→ELBは落ちません。

そして、MCBを一つずつ投入して行くと、何番目かのMCBを投入した瞬間ELBが落ちます。このMCBが、漏電した回路です。このMCBだけをOFFにして、他のELB・MCBを全て投入して、応急対策終了です。あとは、落ちたMCB回路の漏電チェックを電気屋さんに依頼しましょう。

理想は全てELBにしてやれば、このような漏電であっても漏電している部屋だけが停電し、他の部屋・機器を停電させないで済むのですが、全てELBを使うと大変高くつきます。

そしてこれからが保護協調の本題ですが、続きは明日。

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