瞬時停電対策-1

リレー盤の頃のシーケンス回路は、瞬停に弱かったのです。

一般に機械と言うものは、[起動]ボタンと[停止]ボタンがあります。モメンタリスイッチが殆どです。(詳しくは9月7日・8日の[オルタネイト]参照)

[起動]ボタン(CX)を押すと、その二次側に繋がっているリレーの接点が自身のリレーをを保持して[起動]状態が続きます。(自己保持回路)

[停止]ボタン(TX)を押すと、自己保持しているリレーの回路が遮断されるので[起動]状態が外れるつまり[停止]するわけです。

もし冷凍機が異常停止した場合、異常保持リレーが働き、パトライト・ブザー・監視盤発報等で、監視人が直ぐに気付きます。

しかし瞬停で上図のXR1が外れた場合、冷凍機は停止しているのに誰も気付かない。そのうち会議室の温度が上昇し、苦情が出てから慌てる。なんてことが起こります。これがホテルなら…テナントや客室の温度が上昇し、大騒ぎになります。

話は変わりますが、私が触っている[吸収式冷暖房機]は、[停止]ボタンが押された後約30分掛けて停止します。吸収式はコンプレッサを使わず、化学変化の吸収熱を利用して冷房する機械なので、突然停止すると、機内で煮詰められた濃溶液の温度が低下し、結晶事故に至ります。

だから吸収式冷暖房機や吸収式冷凍機にとって[瞬停]は、致命的な故障に至る恐れがある難問題なのです。

吸収式に限らず最近の冷凍機は、その殆どがマイコン制御されているので、重大事故に至る恐れはまずありません。

しかし、リレー盤で組まれた吸収式はどうしたら良いのでしょう?

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