設計の常識?
前号で書いた、CVV1.25-8cとかいう信号線の事を付け加えます。
計装システム課で設計をしていたころ、温度指示調節計3台と空調機3台の信号線の図面を、課長に指摘されました。
制御盤の中に温度指示調節計が3台。そして50mほど離れた食堂に空調機が3台。そしてその間に必要な信号線が8本だったため、図面にCVV-1.25-8cと書いたのです。課長は言いました。
「将来空調機を増設する事になったらどないするねん!」課長は、やくざみたいな、でも愛情のこもった言い方をしてくれました。ニヤニヤしながら。
コントロール盤の置かれている部屋と食堂の間の配線は、一部プリカチューブとプルボックスを使った隠ぺい工事。
そうです。もし将来増設になったら、その間をまた新たに配線工事しなければならないのでした。
「設計段階で8本やったら、15本くらい通しとけ。線の値段UPなんか1人工にもならん。」というのが課長の教えでした。
でもこれって、プロの人には常識なんですよね?
もし制御盤(特に監視盤)を観る機会があれば、盤の下側から入線されているケーブルを見て下さい。大抵、1本のケーブルの中で使われている信号線は2/3程度で、それ以外の(今は)用事の無い信号線は束ねてテーピングされ、そして纏めてアース端子に繋がれているのが正解です。
アースに繋いでいないと、その線がコンデンサの役目をして、電源なんかつながっていないはずのその線を触ると「ビリっ」とする事があります。
遊んでいる線に全くアースをとらなかったり、離れた地点で 2ヶ所以上アースをとったりすると 上述のようになる事があり、これを「迷走電流」と呼びます。